1.不用品回収業者の料金相場
この項では、不用品回収業者の料金相場をご紹介します。
回収サービスの利用を考えていても、どのくらいの費用がかかるのかがわからないとなかなか依頼しにくい面があります。
実際、「不用品回収業者は料金体系がわかりにくい」と感じている人も少なくありません。
これまでに業者のサービスを利用したことがないと、具体的にどのような費用がかかるのかがイメージできないこともあるでしょう。
こういった人でも理解しやすいように、料金相場を紹介する前に作業費用の内訳を説明していきます。
費用の内訳を紹介した後に具体的な料金相場を解説していく流れになるため、業者を利用したことがない人でも料金のイメージが湧きやすい内容になっています。
不用品回収業者の料金は、複数の費用で構成されていることが多いです。
どのような費用で回収料金が構成されているかを知っていれば、提示された金額を見て高い、安いが判断しやすくなるでしょう。
項の後半では、安い業者や優良な業者の選び方などもご紹介します。
不用品回収業者は全国に点在していますが、営業スタイルやサービスの質は一律ではありません。
料金が安くても法律に反するような営業をしている業者を利用するのは避けたいところです。
違法な業者を選ばないコツもこの項ではまとめています。
気をつけたい業者の特徴などをチェックしていると、うっかり違法なサービスを利用してしまうリスクも減るでしょう。
最後は、不用品回収業者と引越し業者の違いを比較して紹介します。
1-1.不用品回収の作業費用について
不用品回収業者の作業費用の内訳は、業者によって少しずつ異なります。
費用が基本料金とオプション料金の2つの費目で構成されているシンプルな料金体系の業者もあれば、費目を細かく分けている業者もあります。
ここでは、不用品回収業者の見積書や請求書に記載されることが多い費目をご紹介しながら、作業費用の内訳について説明します。
作業費
作業費は、不用品回収作業で発生する費用全般のことです。
この費用は、作業の内容ごとに複数の種類に分かれています。
不用品回収ではさまざまな作業が発生します。
例えば、家の中のタンスや冷蔵庫などを回収するときには、最初に部屋の簡単な片付けを行い、床や畳が傷つかないように養生をしなければならない場合があります。
また、衣類や雑貨、書類などの大量にある不用品を回収する際には、仕分けや袋詰めを作業スタッフが行うケースも少なくありません。
作業費の内訳は、こういった作業の内容ごとに分かれていることが多いです。
請求書に「養生費用」や「仕分け費用」などの費目が記載されているときは、作業費に該当する可能性が高いです。
作業費には、このほかにも「解体費用」や「撤去費用」などがあります。
「解体費用」は建物などを解体してから処分するときの費用、「撤去費用」はエアコンや浄化槽などを取り外して回収するときの費用です。
作業費には、当日に稼働するスタッフの人件費も含まれるのが一般的です。
多くの場合、このような人件費はスタッフ1人当たりの稼働時間や稼働日数で決まる仕組みになっています。
複数のスタッフが数日がかりで作業をする場合は人件費の関係上、作業費の金額も上がります。
出張費
出張費は、回収業者が作業場所まで出向く際の費用です。
出張費は定額の場合が多いですが、業者によっては距離数や移動時間数で金額を分けている場合もあります。
一定の料金を超えるサービスを利用すると無料になるケースも多く、その都度発生の有無や金額が変わるのが出張費の特徴です。
処分費
処分費は、回収した品を処分する際の費用のことです。
処分場まで品物を運ぶときの運搬費用や提携業者に品物を引き渡す際の手数料、リサイクル料金などがこのような処分費として請求されることがあります。
オプション料金
オプション料金は、一定の範囲を超えてサービスを利用したときに発生する費用です。
マンションなどからベッドやピアノを搬出するときには、特殊な車両を使った吊り降ろしと呼ばれる方法で対応しなければならないケースがあります。
このような作業が発生すると、通常の作業費とは別にオプション料金がかかることが多いです。
また、回収場所の消毒や清掃が必要な場合もオプション料金が発生するのが一般的です。
パソコンなどを処分するときのデータ消去費用などもオプション料金のひとつです。
1-2.不用品回収の料金相場
ここでは、費用の内訳を踏まえた上で不用品回収の料金相場を具体的にご紹介します。
不用品回収にどのくらいの費用がかかるかは、回収を依頼する不用品の量で変わってくるのが一般的です。
業者では、処分したい品物の量に合わせて選べる単品回収や積み放題のプランも用意しています。
品物が少なくても回収してもらえる「単品回収」
単品回収は、テレビやタンスといった処分したい品物を単品で引き取ってもらえるサービスです。
「いらなくなった家具や家電を処分したい」といったときは、このような単品回収を利用すると便利です。
単品回収は、品物ごとに回収の単価が決まっているのが特徴になっています。
単価には、基本的な回収の作業費は含まれていることが多いですが、出張費などは別にかかる可能性があります。
また、品物によっては、処分費やオプション料金が別途発生します。
大量の不用品をまとめて処分できる「積み放題」
積み放題は、軽トラックや1トントラックなどのトラックの荷台に詰めるだけの不用品をまとめて引き取ってもらえるのが特徴です。
このようなサービスは、部屋や家全体の不用品を一掃したいときにも役立ってくれます。
大量にゴミが出る引越しや大掃除などでは、このような積み放題のサービスがしばしば利用されています。
積み放題のサービスは、作業費や処分費などがすべて含まれるパック料金が適用されることが多いです。
パック料金はトラックの種類や台数で変わるケースが多く、料金体系は比較的わかりやすいです。
出張費がサービスになるなど、お得に利用できる場合があるのも積み放題の便利な点です。
ただ、リサイクルが必要な品の処分費、オプション料金などは別途発生する可能性があります。
単品回収の料金相場
単品回収は、品物ごとに単価の相場がだいたい決まっています。
代表的な家具、家電の料金相場は次のとおりです。
家具
ベッド/3,000円から5,000円前後
タンス/2,000円から5,000円前後
ダイニングテーブル/2,000円から3,000円前後
こたつ/1,000円から3,000円前後
ソファー/1,000円から3,000円前後
家電
冷蔵庫/3,000円から5,000円前後
テレビ(液晶)/2,500円から4,000円前後
エアコン/2,000円から4,000円前後
電子レンジ/500円から1,500円前後
パソコン/2,000円から3,000円前後
積み放題の料金相場
積み放題の料金にも、以下のようなおおよその相場があります。
軽トラック/10,000円から25,000円前後
1トントラック/25,000円から30,000円前後
1.5トントラック/39,000円から45,000円前後
2トントラック/40,000円から60,000円前後
2トントラック(箱車)/60,000円から80,000円前後
4トントラック/80,000円から100,000円前後
1-3.不用品回収業者の選び方
不用品回収業者を選ぶときにまずチェックしておきたいのが、安心して利用できる優良な業者かどうかです。
費用を抑えたい場合は、料金が安いかどうかもチェックポイントになるでしょう。
安心して利用できる不用品回収業者とは
優良な業者かどうかをチェックする際にひとつの参考になるのが、資格の有無です。
不用品回収業者は、請け負う業務の内容に応じて資格を取得する必要があります。
一般廃棄物収集運搬許可や産業廃棄物収集運搬許可などは、不用品回収をするにあたって必ずと言ってよいほど必要となる資格です。
また、回収した品物を中古品として買い取る場合は古物商許可も必要です。
このような資格を保有している業者なら、安心して利用できる可能性があります。
料金が明確で事前見積もりが可能な業者も利用がしやすい
料金が明確で事前の見積もりをしてくれる業者は、利用するときの不安が少なく済みます。
料金が明確かどうかは、見積もりを依頼してみるとだいたいわかることが多いです。
見積もりで提示された金額がわかりやすく、追加料金などが発生しない業者なら初めて不用品回収業者を利用するときでも安心して依頼ができるでしょう。
ホームページの有無もチェックしておこう
自社のホームページがあり、所在が明確な業者も利用する上で安心感があります。
ホームページでは住所や代表者氏名、資本金といった会社概要と併せて、会社が保有している資格も紹介されているケースが多いです。
また、これまでに手掛けた仕事もホームページに掲載されている場合があります。
実績がある業者は、社会的にも一定の信頼を獲得している可能性が高いです。
自分が依頼したい業務の実績を見ておくと、希望通りの仕事をしてくれるかどうかがイメージできるでしょう。
口コミでの評判が良い業者は利用者の満足度が高い
口コミサイトで良い評判を得ている業者は、利用者の満足度が高い可能性があります。
このような業者は「対応が親切」や「料金が安い」といった人気を得る理由があることが多いです。
サービスの質にこだわるときは、業者の評判をチェックしてみましょう。
1-4.違法な不用品回収業者について
不用品回収業者には、違法な営業を行っているところもあります。
このような業者に引っかからないためには、依頼先をしっかりと見極める必要があります。
違法な業者とは
違法な業者とは、簡単に言えば前述した優良な業者に当てはまらない業者です。
「資格の有無が確認できない」や「見積もりを出し渋っている」などの業者は、依頼する前に慎重に検討する必要があります。
インターネットで業者名を検索したときに結果がヒットしてこない業者も少し注意が必要です。
このような業者は、所在が明らかではない可能性があります。
チラシで宣伝をしている業者にも要注意
チラシで大々的な宣伝をしている業者は、所在がはっきりしているかどうかをチェックする必要があります。
保有資格やホームページのアドレスがチラシに記載されており、料金が明確な業者なら大きな問題はないでしょう。
ただ、会社の所在が明らかでなく、連絡先が携帯電話のみの場合などは少し注意をする必要が出てきます。
廃品回収のトラックを安易に利用するのは避けた方が無難
街を巡っている廃品回収のトラックにも少し注意をしましょう。
このようなトラックで回収にくる業者は、保有資格や所在を事前に確認するのが難しい場合が多いです。
よく確認しないままどさくさに紛れてその場で回収を依頼してしまうと、後にさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
1-5.不用品回収業者と引越し業者
引越しで出た不用品を処分する場合、不用品回収業者と引越し業者のどちらを利用するかで迷うこともあるでしょう。
それぞれの業者のサービス内容や回収してもらえる品物の種類、料金の傾向などがわかっていれば、状況にあった選択ができる可能性があります。
サービス内容
不用品回収業者は、シーンを問わず回収に対応するのが特徴です。
このような業者は引越しはもちろん、空き家の片づけや遺品整理なども請け負います。
引越し業者の場合は、引越しサービスを利用する人を対象に不用品回収サービスを提供することが多いです。
回収だけの依頼には対応していないことが多いため、引越し業者は利用できるシーンが少し限られます。
回収してもらえる品物の種類
家具や家電といった身近な品物から建築資材まで幅広く回収するのが、不用品回収業者のサービスです。
不用品回収業者は解体業者と提携しているケースも多く、建物の取り壊しや改修などで出た廃材も処分してもらえる場合があります。
引越し業者は、引越しの際に出た家具や家電などの不用品を主に扱います。
転居先に持ち込めない品を引っ越し業者に依頼して回収してもらう人も少なくありません。
料金の傾向
不用品回収業者の料金は、品物の量が多くなるほどお得になる傾向があります。
積み放題のパックサービスなどを利用した場合は、大量の不用品をあまり費用をかけずに処分できるケースもあるでしょう。
実際、部屋や家全体の不用品を処分したいときは、不用品回収業者を利用するのがお得な選択になる可能性が高いです。
引越し業者の不用品回収は、一般的に単品での回収がメインです。
そのため、品物の数が少ないときは低料金で済みますが、回収を依頼する量が多い場合は費用がかさむ傾向があります。
引越し業者を利用するメリットは、回収の出張費がかからない場合が多いことです。